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彼女と最近、別れたんだよー
辛いよー
それは、残念だね
元気を出して
今回は失恋が辛い科学的原因とその対処法を理解していこう!
失恋をして辛い思いをした人も多いのではないでしょうか?
失恋は辛く苦しいものですが、それには原因があります。その原因を理解して少しでも楽になれる対処法をこの記事では紹介していきます。
失恋に関する偉人の名言も紹介しているので、ぜひ最後まで見て下さいね。
失恋が辛いのはなぜか?
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まずは恋愛初期の事を知ろう
恋愛が始まると脳の中の、他者の感情の認知に関わる部分である扁桃体周辺の 活動が低下します。さらにドーパミンが多くなり常に興奮 陶酔状態になります。
恋愛の初期では相手に関係なく、ある意味で独りよがりにドーパミンを出します。(簡単にいうと中毒状態の一種ですね)
ドーパミンの影響で相手に対する期待や喜びの感情が大きくなります。これらの影響により幸福感が高まるのです。
失恋すると体は警戒体制になる
失恋するとパートナーとの関係が壊れることが多いと思います。人は愛する人がいなくなると全てが崩壊して自分の中の大事なものが無くなった感覚になり強い喪失感や虚無感に襲われることになります。
これは、失恋をすると、自己概念(Self concept)の崩壊が起きるためです。自己概念とは『自分が何者なのか?』という概念で、国籍、性、所属、地域、職業、友人、恋人などの関わりや属性が、この自己概念を形成するようになります。
失恋をすると自分のアイデンティティーの一部が欠けたような気持ちになり、これが失恋で胸が痛むという状態の原因です。
さらに、ストレスホルモンであるコルチゾールやアドレナリンが通常より大量に分泌されるため恒常的にストレスに晒せられる状態になり体は常に警戒体制になってしまいます。
失恋することによる身体への影響
上記のように常にストレスに晒され体が常に警戒体制になると身体への悪影響もあります。
アドレナリンが過剰に分泌されることで睡眠不足になることがあります。
睡眠の最も重要な役割は、神経システムの再生です。睡眠周期のひとつであるレム睡眠は、日中のストレスを解消する役目を果たしており、許容範囲を超える出来事が起きると脳の“記憶と感情”に関与する領域に残ってしまい、バグを作り出します。
その結果、脳は警戒態勢となり、睡眠不足によるイライラや免疫力の低下により病気に罹りやすくなります。
また短期間のストレスと違い慢性的なストレスは食欲不振、抗鬱、やる気の減退などを引き起こしその人の価値観まで変えてしまいます。
失恋から立ち直るコツ
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失恋で得た感情を冷静に分析する
2015年に行われたノースウェスタン大学で行われた研究で、失恋したばかりの男女を200人集めて2つのグループに分けました。一方のグループには『別れた原因や別れた時の状況を紙に書き出したり他人に説明したグループ』もう一方は『心理テストを数回受けたグループ』です。
その後9週間全員を追跡してメンタルの状態をチェックしました。
結果としては別れた原因などを人に話したり紙に書いたりしたグループの方が失恋の痛みから回復するスピードが早かったのです。
参考論文
まずは、恋愛中や失恋で感じた自分の感情、主に自分から発したものと外部から (相手の影響で) 得た感情、この2つに分けて感情が生じた原因とその時にした対処方法を冷静に 分析しましょう。
具体的には相手の嫌なところを紙に書くことです。人は紙に書くと紙に書いた対象と心の距離を置くことができます。
そうすることで思い出に浸りすぎないようにすることができ、未来で生じるであろう感情をコントロールすることができます。コツとしてはあくまで俯瞰的に見ることです。
夢中になれるものを見つける
前記の通り失恋をすると自己概念の崩壊が起きます。これが起きた際に早く自己概念を回復するためには新しい自己概念の構築、新しいアイデンティティーを身に付けることが重要です。
その方法としては夢中になれるものを見つけて実行に移すことが鍵になります。
例えば好きな『音楽を聴く』『好きな食べ物を食べる』これらはドーパミンのレベルを上げてくれます。
新しい習い事を始めてみるのも良いでしょう。今まで持っていなかった肩書きや称号を得ることができ、新しいアイデンティティーを身に付けることができます。
また読書をするのも良いでしょう。読書をするとストレスが68%下がるというイギリスのサセックス大学が行った研究結果もあります。
参考論文
失恋をポジティブに考える
ネガティブな感情や思考が生じたときに、その思考や状況について別の観点からポジティブに捉えなおしましょう。これを認知的再評価と呼び、相手を嫌いになる必要はないが脳を一旦冷静にさせるために物事の見方を変えてポジティブ感情を持って冷静に観察しましょう。
失恋した経験をいいことだと捉えて自己を成長させましょう。『この経験で自分はまた一つ強くなれた』『新しい視点を持てた』などポジティブな見方に変えてこれからのことを考えていきましょう。
心と精神性を向上させる事は今後、様々な相手との関係性を良くするうえで重要になります。
失恋は3ヶ月ほどで回復するという論文がアメリカ合衆国のノースウェスタン大学からでています。
この論文によれば
・たいていの人は失恋の痛みがやわらぐまで20週間はかかると予測した
・実際は失恋から10週間でメンタルが回復した。
そうです、人間は今この感情がずっと続くと思いがちですが時が経てばどんな思いでも色褪せていきます。なので大きな不安を抱かずとも大丈夫だと言うことですね。
もう失恋をしない為に何ができるか?
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良い関係性を築く
次は失恋しないように相手に共感を持って接することが重要です。
自己主張をするときはアサーションを意識して話しましょう。アサーションとはアメリカ発祥のコミュニケーションスキルの1つで、相手と対等な立場で自己主張をするための方法です。自分と相手を大切にし会話の円滑さに焦点を当てた概念と言えます具体的には
- 相手の発言を受け入れたうえで自分の意見を伝える
- 相手にとって気持ちが良いノンバーバルコミュニケーション(表情や態度、声のトーン、香りなど)を意識する
- 相手を否定的な言葉ではなく肯定的な言葉を使って一緒に問題解決に望む
この3つを意識することで良好な関係を築ける可能性が上がります。
アサーションについては以下の記事に詳しく書いたので是非、読んでみて下さい!
完璧を求めない
過剰な嫉妬をしないようにしましょう。
適度な嫉妬は『自分に関心を持ってくれている』と感じますが、過度な嫉妬や束縛は相手との関係性を悪化させます。(恋人への支配行動の強度にもよる)
強度が弱い場合は恋人関係に良好な影響を与える場合もありますが暴力的な支配行動は強度に関わらず関係性を悪化させます。
これらのことを念頭に置いて自分も相手もそもそも完璧ではないことを 理解しましょう。
file:///Users/shimizutoshikyuuou/Downloads/37104B3.pdf
過去の経験を活かす
過去に恋愛を経験したことがある方は、過去の恋愛経験を活かして次の関係を築きましょう。
過去の恋人との関係性のみを冷静に分析しましょう。この際感情などはできるだけ思い出さないようにしましょう。
過去あった関係性をしっかりと理解して、反省点を見つけ出し次への関係性に活かすことが重要です。
また恋人に過去のことを聴く人が多くいますがそれはやめた方が良いです。相手の過去を聞くことで相手の恋愛観や相手のことが分かると言う人がいますがそんなことは無いと思います。
まず前提として相手が本当の事を言っているとは限りません。
さらに聞いたところでその過去は変えることはできないので過去の人と自分を比べるだけになってしまいます。そもそも相手の過去を聞かなければその過去は自分の中では無かった事になります。
どちらにしてもお互いの関係にとって良いことは無いでしょう。
相手に聞かれたときだけ話すようにしましょう。
失恋に関する名言
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失恋や恋愛に関する名言を6つご紹介します。
未熟な愛は言う、「愛してるよ、君が必要だから」と。
成熟した愛は言う、「君が必要だよ、愛してるから」と。
- エーリッヒ・フロム -
(ドイツの社会心理学者、精神分析学者 / 1900~1980)
多くの女性を愛した人間よりも、たった一人の女性だけを愛した人間のほうが、はるかに深く女というものを知っている。
- トルストイ -
(ロシアの小説家、思想家 / 1828~1910)
事情が変われば己も変わるような愛、相手が心を移せば己も心を移そうとする愛、そんな愛は愛ではない。
- シェイクスピア -
(英国の劇作家、詩人 / 1564~1616)
恋愛だって芸術だって、おなじだ。
一体なんだ。
全身をぶつけること。
そこに素晴らしさがある。
- 岡本太郎 -
(日本の芸術家 / 1911~1996)
恋を得たことのない人は不幸である。
それにもまして、恋を失ったことのない人はもっと不幸である。
- 瀬戸内寂聴 -
(日本の小説家、天台宗の尼僧 / 1922~2021)
恋愛の徴候の一つは彼女に似た顔を発見することに極度に鋭敏になることである。
- 芥川龍之介 -
(日本の小説家 / 1892年~1927年)
おすすめアイテム
ここでは失恋を乗り越えるために役にたつ本を紹介していくよ!
興味が湧いたものから読んでいくぞー
『愛とためらいの哲学』は、哲学者であり心理学研究者でもある岸見一郎さんによる本で、人を愛する技術を学ぶことができます。
岸見一郎さんがアドラー、フロム、三木清、ウジェーヌ・ミンコフスキーなど著名な哲学者が残した考え方を引用しながら、「なぜあなたの恋愛が幸福をもたらさないのか」を解説しています。
恋愛関係悩み事を解決するためには、受け身の姿勢でいてはいけない、愛について大切なのは、「愛する」という能力であり、技術であり、それはどこまでも能動的なものであるとされていて、とてもためになる本なのでぜひ読んでみて下さい。
「話が聞けない男、地図が読めない女」は、アラン・ピーズさんとバーバラ・ピーズさんが執筆した本で、男女の脳の違いについて解説しています。
狩猟採集時代まで遡り男女の脳の違いを解説しています。また、異性とより良い関係を築くための考え方やコツを解説しており、恋愛で悩んでいる人はぜひ読んでみて下さい。
まとめ
失恋することは誰しも辛い事だと思います。
しかし、どんなに辛くても必ず時間が解決してくれます。人は何事にも慣れてしまう生き物だからです。そして、良い思い出も辛い思い出も忘れていくものです。
なので辛くても気楽に過ごすと良いかもしれません。