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前回の記事で見たノンバーバルコミュニケーションの続きを見ていこう!
ノンバーバルコミュニケーションについての基本的な内容の記事はここから読んでね!
今回は上半身のノンバーバルコミュニケーションについて理解していこう!
顔のメッセージ
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顔は分かりやすいかも!
実は顔のノンバーバルコミュニケーションは分かりやすく見えて、嘘をつくから難しいんだ!
顔は僅かな感情も伝える
相手の感情を読み取ろうと思った時に誰もが真っ先に顔を見るのではないでしょうか?顔は微笑や怒りなど顔の微小な変化で相手に感情を伝えます。
しかしこれは他のどの種にも見られる事では無く人間特有のものとされています。顔の表情は世界共通で感情を伝えます。どの国でもその表情がどのような感情を伝えているのか理解できます。
人は顔にある様々な筋肉によって一万以上の表情を作ることができるとされており、この幅広い表情のバリエーションで効果的かつ効率的に感情を伝えることができます。
口と表情が伝える別々のメッセージ
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いくら顔の表情の種類が豊富であっても全てが真実とは限りません。私たちはある程度自分で表情をコントロールする事ができ、作り笑いや嘘泣きなど仮面を被っています。口からは心地良い事を言いながら顔では口とは正反対の不愉快なノンバーバルなメッセージを伝えている事がとても多いです。
しかし心からの喜びの感情は顔と首に現れます。額の皺が浅くなり、口周りの筋肉が緩んで目の周辺の筋肉も緩み目の幅が広く見える時です。
私たちが本当にリラックスして喜びを感じている時は顔の筋肉もリラックスして頭が傾き危険に弱い部分である首が露わになります。これらは恋人同士などの良好な関係の時によく見ることができます。
目が伝えるノンバーバルコミュニケーション
・好ましい物を見た時
「目は口ほどにものを言う」とも言いますが、実際に目は多くのメッセージを私たちに伝えています。目の周辺の筋肉は危険なものが近づいた際、目を閉じます。こうした無意識の反射があるおかげで目は人間の中でもかなり正直な部分といえます。
研究によれば人は見た物が好ましければ瞳孔が開き、嫌いなものならば瞳孔が閉じると言われています。瞳孔を意識的に操作することはできず、変化も一瞬です。さらに日本人は特に黒い瞳が多いので変化に気づきにくいです。しかし、これらの変化はその人の感情を正直に伝えています。
不快な物を見た時や感じたときは瞳孔だけでなく手で目を覆ったり目を細めたりします。逆に好きな物を見たり感じた時は眉毛はアーチ型に上がり、目を大きく開き目を輝かせます。
目は他にも多くのメッセージを伝えています。より詳しくはまた別の記事で書こうと思います。
首のメッセージ
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首でわかる事ってあるの?
首は不快感などを伝えやすいと言われているよ
人間にとって生きてくうえで重要な部分だからしっかりと観察しよう!
首は人間にとって重要な部分
首は私たちの中で最も弱く傷つきやすい場所です。血液、食物、ホルモン、空気など生きるために必須の物が首を通して体に運ばれていきます。しかし首を詳しく見てノンバーバルコミュニケーションを理解している人は少ないです。
なので、首のノンバーバルコミュニケーションを理解すると他の人より人の考えや感情を理解するうえで優位に立てます。
首をむき出しにする行動は相手に興味を抱いていると伝える事が出来ます。生まれたばかりの赤ちゃんを見たり抱いたりすると私たちは本能的に首を傾けます。これは求愛行動の特徴となり、この行動は個人的な関係や仕事上の関係でも相手の話をよく聴いて興味を持っていると伝える事が出来ます。
ここに笑顔を組み合わせることで相手を味方に引き入れる際効果的な方法になります。また対立している状況などでは相手の敵意を取り除く効果が期待できます。
首が伝えるマイナス感情
痒い時を除いて首を触る行為は確信のなさ、心細さ、不安または何か問題があることを伝えています。また、首を揉む行動はストレスを感じている可能性があります。
首にある迷走神経を首を揉むことで刺激することで神経伝達物質のアセチルコリンが分泌されます。アセチルコリンは心臓に信号を送って心拍数を下げる働きがあります。
さらに首に空気を通す行動もストレスを感じている事を伝えています。人はストレスを感じると体温が上がることがあります。これを心因性発熱と呼び、これは自律神経で制御されている生理的反応なので自分では止める事が出来ません。
これらの熱で感じる不快感を襟を緩めて空気を送ることで和らげようとします。これらの行動はストレスや不快感などその人のマイナス感情を表しています。
胴体のメッセージ
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胴体を詳しく見て分かる事なんてあるの?
胴体は人間が生きていく上で必要な器官が沢山入っているよね?
だから胴体は本当の気持ちを反映しやすいよ!
胴体は体の主要器官がある
胴体には生命維持に不可欠な器官の大半が入っています。私たちは危険や脅威を感じると頭か胴体を優先的に守ります。
胴体は体の健康状態や所属しているグループ(ユニフォームなど)や何をしているかなど多くのヒントを私たちに与えてくれます。例えば、私たちの胴体は好きな人や快適だと感じている人の姿勢を真似る事があります。このような行動はミラーリングと呼ばれます。
例を上げるとデート中に自分が身を乗り出すと相手も快適に感じていれば同じように身を乗り出します。飲み物を飲むタイミングが重なったり、お互いにリラックスした姿勢がそっくりになったりします。
ミラーリングは会話、気分、性格がお互いに合意している事を表します。
胴体は豊かな情報を伝える
私たちは好きな相手に体の前面を向ける行動をとります。相手に関心があり快適に感じている時は座っている時でも時間と共に少しずつ両肩と胴体をその人に向けるようになります。
なので相手と親しくなりたい場合は相手に体の前面を向けることで相手に関心があると示す事が出来ます。逆に胴体を横向きに変えたり体の前面を背けたりする行為を好きではない人や不快な人、不安を感じる人にします。
体の前面は前記したように体の重要な器官が入っており不快な相手には自分の体の重要な部分を見せようとしません。つまり体の前面を背ける行為は『あなたが嫌い』『あなたと一緒にいたくない』という気持ちを表しています。
腕のメッセージ
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腕を見るのは難しよー
腕を見るのは確かに難しいけど、自信や気持ちの表れを観察したいなら見るべき部位だよ!
自由な腕が伝えるメッセージ
腕は私たちの体を守ったり、体のバランスを保ったり、物を運べるようにしているだけではなく、沢山のメッセージを伝えています。何か危険や脅威が来た時、私たちは真っ先に腕で防御しようとします。腕は生き残りを助けるように出来ているため本当の感情や意図を伝えると考えられています。
生き生きとした腕の動きは自分の感情を反映したり人から自分の感情に気づいてもらう事が出来ます。はっきりした腕の動きは会話をする時に表現を強調するのに役に立ちます。腕を動かしながら話す事で話し方の柔軟性を高める事ができ、自分の話を他の人の記憶に残りやすくする影響があります。
相手の記憶に残るように話したい場合は腕を自由に使って強調しましょう。
腕が伝える支配のメッセージ
また、腕は身を守るだけではなく自分の縄張りを主張することも出来ます。
例えば会議などで自分の資料を広い範囲に配置したり、腕を使ってテーブルを広く占領している人がいると思います。これらは自分の縄張りを示しておりこの場所は自分の支配下にあると周りに伝えるメッセージになります。これらは周りに自分の優位性を示す役割を果たしています。
この行動は自分に自信がある人や地位の高い人が多くします。デートなどでも自信たっぷりに女性の方に腕を回し自分のものだと相手に示す事があります。
逆に腕を体にピッタリとつけ腕を両足の間に垂らして座っている人は弱さと自信の無さを周りに伝えるメッセージになっています。
自信があるように見せたい場合は腕を広げ自分の縄張りを示す行動をとると良いでしょう。手を腰にあて肘を張る姿勢も縄張りを主張する行動になります。
愛情や上機嫌を伝えるノンバーバルコミュニケーション
ハグは言葉で伝えるよりも愛情や気遣いを多く相手に伝える事が出来ます。ハグは強力で人間関係を豊かなものにします。しかし日本ではカップル以外ハグをする習慣や機会はありません。ですが、ハグをしなくても愛情や好意的な感情を相手に伝える事が出来ます。
初対面の人と会う時は自分の体の前面を相手によく見えるようにし、手のひらもしっかりと見えるようにする事で思いやりや好意的な感情を相手に伝えましょう。この行為は相手に『自分はあなたに悪意や敵意はない』と伝える手段になります。
また、恋人同士のノンバーバルコミュニケーションを見てみるとカップルが一緒にテーブルに座っている時お互いの腕をできるだけ近づける様子を見る事が出来ます。腕には感覚受容器が多くあり腕の触れ合いにより多くの喜びが生まれます。これは産毛に軽く触れたり服の上から腕に触れるだけでも刺激されていることが分かります。
ですので腕を他の人の腕に近づける時は快適に感じ楽しんでいる事を表しています。この逆の行動では恋人の中が悪化した場合や不快に感じた時に現れます。
腕を上の方向にあげたり外に向けたりする行動、腕が重力に逆らうような行動は勝利や上機嫌を表します。肯定的な感情は重力に逆らう腕の動きを促します。スポーツ選手などが勝利を誇示する際、拳を高く上に突き上げる行動が見られます。
手のメッセージ
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手なんてみてどうするのさ!僕なんて3つか2つしか見るとこないよ!
ナマケはそうかもね‥‥
でも人間の手は類稀なる箇所で色々な作業ができる場所なんだ!
効果的な手の動きをするとメリットを得ることができるよ!
手は豊富なノンバーバルコミュニケーションの宝庫
人の手は繊細な作業や絵を描くこと、武器をしっかり握って攻撃することも出来ます。私たちの手は生きる為に不可欠な存在です。手は効果的なコミュニケーションとしても使われます。横断歩道を渡る子供も、指揮者も、人に合図を送る時も、手を使います。それは願望や心配、愛情を周りの人に伝えます。
他人が人を触る頻度はその人をどう感じているか伝える手段として有効的です。ある程度は文化などで違いはありますが、ほとんどの場合、相手を大切に思うほど数多く触ります。
また触る頻度は社会的地位にも関係しています。ほとんどの文化に共通して地位の高い人が地位の低い人を触る機会が多いです。職場などでは上司が部下の肩などを触る方が部下が上司を触る頻度よりも多いです。
信頼性と説得力を高めるノンバーバルコミュニケーション
・尖塔のポーズ
体の前で両手を広げて左右の指先同士をつけ指をアーチ型に曲げ尖塔のような形にする行動(尖塔のポーズ)は自信を示す普遍的な仕草になります。ドイツのメルケル首相はこの行動をする事で知られています。自分の意見を相手に納得してもらう為にこの行動をするのは効果的と言えるでしょう。
また手を隠す行動は悪い印象を与えるので、信頼を得たい場合は手のひらを相手から見えるようにしましょう。この行動をする事で、謙遜や協調したい意思を相手に示す事が出来ます。相手とテーブルなどに座って会話をする際は自分の手をテーブルの上に置いて話をすると良いでしょう。
またビジネスの場面などで握手をする場合は強く握ることは避けた方が無難です。相手より優位に立ちたい場合は握る強さを強くするのではなく、相手に好印象を与える為に程よい強さで優しさを持って握手をしましょう。相手の目をしっかりと見たり、前記したように自分の縄張りを自然に主張する方が相手より優位に立つ為には有用です。
緊張を伝えるメッセージ
手と指をコントロールしている筋肉は正確で細かい動きができるように作られています。私たちがストレスを感じると、アドレナリンなどの神経伝達物質が増加して手の震えが止まらなくなったりします。手を組み合わせる祈りのポーズは万国共通でストレスや不安があることを表します。また手のひらを擦り合わせたりする事もストレスや緊張、不安がある事を表す行動です。
物を置く行為も緊張や問題がある事を表しています。
例えばレストランなどで相手との関係性に問題がないと視界が見やすくなるようにテーブルの上にある物をどかしたりしますが、相手との関係に問題があると、相手との視線の間にコップなどの障壁となる物を置いて相手との間に壁を作って距離を取ろうとします。会話をしている際、相手が目の前に障害物を置いた際は会話の内容を見直すと良いかもしれません。
個人的には相手と飲み物を飲んでいる際、自分が飲んだ後に相手のコップに自分のコップを少し近づけて置いて相手との心理的距離を測っています。良い関係ならコップを近づけても相手がコップとの距離を取ることは無いですが、関係が悪いとコップとの距離を取る事があると思います。
オススメのアイテム
『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』は、元FBI捜査官である著者が、表情やしぐさなどから相手の心理を読み解く方法について解説している本です。
この本は、人々が見落としている感情や考えを表すしぐさの意味や、相手のボディランゲージから心理を読み取る術を平易な文章で解説しており、著者が実際に体験した事例なども書いてあるので読みやすいと評価されています。
ノンバーバルコミュニケーションを学ぶならこの本が入門書として最適だと思います。
『FBI捜査官が教える「しぐさ」の実践解読辞典407』は、体の各部分ごとのあらゆる「しぐさ」と心理的な意味がよくわかる実践ガイドです。この本は多くの読者からの要望に応えて生まれた決定版手引書であり、読者に対して即座に役立つ407項目を提供しています。
先ほど紹介した本を読んでからこの本を辞書のように使うとより一層ノンバーバルコミュニケーションを理解でき、実生活でも使うことができます。
とりあえずこの2冊を読めば問題ないです。
まとめ
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この記事では、上半身パートに焦点を当て、上半身がコミュニケーションにどれほど深い影響を与えるかについて探りました。以下は、上半身パートのまとめです。
顔 : 心から喜んでいる時は額の皺が浅くなり口と目の周りの筋肉が緩み顔の筋肉の緊張がなく首を露わにする。好きな人を見ると瞳孔が大きくなる。
首 : 首を露わにするのは相手に興味がある行動と言える。首を揉む行動はストレスや不安がある時にする。首に空気を通すような行動はストレスや不快感を感じている。
胴体 : 体の前面を相手に向ける行動は相手に関心があり快適に感じている。
腕 : 生き生きとした腕の行動は相手に自分の感情を伝える上で役に立つ。腕を広く広げるのは自分の縄張りを示す行動になる。相手に好意がある時、人は無意識に相手に腕をつける。
手 : 尖塔のポーズは自信を示す行動になる。手を隠す行動は相手に悪い印象を与えるので隠さないよにすると良い。手を組み合わせた祈るようなポーズはストレスや不安を伝える行動になる。相手との関係性に問題がある場合は間に障壁を作ろうとし、障害物を置く。
これらのノンバーバルコミュニケーションを理解して良い人間関係を築けるようになりましょう!